冒険者たち エピソード2

前回からの続きです。

隊長の言う通り車を走らせると、難破船があった。

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沖に見えるのは悪石島。

波の音だけしか聞こえない。

言葉を失う光景だ。

このすぐ上に今は使われていない滑走路があった。

おもしろそうだ。

インスタ映えするな。1510909161481IMG_20171119_135318_793

ここで隊長から指令が。

「思い切りジャンプして膝を曲げて手を突き上げて顔はカメラを見る」

「そんなこといっぺんにできるかい」
「わしゃ56やぞ!」

「膝曲げて戻すの遅れたらどないなる?・・・皿割れてまうよ」

ゆうちゃんにはめっちゃ笑われたけど

「ほんま 若いやつには分からんやろな。一つ一つしかできんの!」
「山下りたばかりで膝抜けてんのに・・・」

「つべこべ言わずに早うやれ!」

received_1199769886789531「これくらで勘弁しといたろ。」

「それにしてもカイ飛びすぎやろ!」

しおりんが 「膝ハマった」言うたけど

わたしもそれに1票。

隊長のおかげや。

まだやらされてる。

take30くらいやっとたな。

やれやれ やっと帰れると思ったら洞窟見に海へ。

もう好きにしなさい。

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これまたすごいわ。

波に浸食されたんやろけど・・・

パワースポットや。

本州やったら人押し寄せるな。

さあ海の男の写真撮って帰りまひょ。

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宿戻った。

びーるやびーる。

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よう呑んだ・・・ ところで、

ヤコウ貝でネックレス作りのワークショップ。received_1200385880061265

オーナーの矢澤さんが潜って取ってきたらしい。

「どこ掛けてんねん」

ほとんど寝てんな。

もう記憶ないやろな。

矢澤さんは30年前に移住してきて、最近この宿を始めたらしい。

それまで、旅人をタダで、住まわせていた家も見せてもらった。

この島で生きていくと決めた勇気と決意と覚悟に感動した。

これぞ男の中の男。

何事も中途半端な男の中の女の私は恥ずかしいとです。

別れの朝

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いよいよお別れです。

また、お会いしましょう。

とは言えんかったけど。

でも、またどこかでお会いできたらうれしいな。

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船の別れはなんか切ないね。

涙でた。

航海の途中いろんなこと考えた。

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特攻の飛行機がトカラの島々を目印に沖縄へ向かって行ったらしいが、

その時の風景とほとんど変わってないやろね。

その当時と今と何が違うんやろ。

島で暮らすということはどういうことやろか。

帰るべき場所はここかもしれんね。

鹿児島に戻り、ゆうちゃんとお別れ。

船が遅れて、また飛行機にギリギリ。

隊長が車飛ばして間に合ったかと思ったら、飛行機も遅れてる。(笑)

「大阪からの夜行バスに間に合わないよ」(笑)

でも間に合った!

どないなっとんねん!

持ってるな。

さすが、売れっ子作家は違うわ。

ひとりづつお別れするのはなんか淋しいね。

あとのメンバーはイルカゲストハウスにお泊まり。

気さくなオーナーでほっこりした。

5分でファンになった。

リピーターさんが多いやろね。

居酒屋でちゃちゃっと飲んで温泉入ってすぐ寝た。

次の日カイくんと空港でお別れ。

また飛行機遅れてる(笑)

淋しい。

短かいけど濃密な時間やったからね。

大人の旅だから仕方ない。

(なんかカッコイイな)

夕方、小春とうちゃこ。

隊長 運転ご苦労様です。

しょうちゃんとしおりんの合作 きびなごのお造り。プロフェッショナルや。

そらうみのゲストさんも合流して最後の晩餐と相成りました。

しょうちゃんとしおりんは次の日、豪雨被害にあった東峰村に立ち寄り帰途につきました。

みんなありがとう。

もともと旅が大好きで始めた宿。

自分が旅人になることで、旅人の気持ちをもう一度思い出し、宿作りに生かしていこうと思います。

なので、

これに懲りずにまた誘ってね。

秘境を目指した冒険者たち

さぬき高松ゲストハウスそらうみ 野瀬 章史&駅長しょう

四国八十八か所お遍路添乗員   向井 志織

まり木綿 代表                     伊藤 木綿

ゲストハウスMADO      大島 魁太

糸島ゲストハウス小春      宮本 勝也

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冒険者たち エピソード1

前回のプロローグからの続きです。

タイムリミットまで20分。

切符2人分買っとこか。

でも間に合わんかったらどうなんねん。

払い戻してる間に出港したらどないすんねん。

いろいろ考えてたら

きたー!

ほんまギリギリセーフ。

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やっと旅が始まる気がしてきた。

とりあえず、初めましてと船が沈没しないように乾杯!DSC_0654

船に酔う前に酒に酔ってしまえばよろし。(もう酔ってるけど)

船に酔ったことはないけど、今回は絶海の孤島へ向かうのだ。

油断ならぬ。

乗り物の中で1番船が恐ろしい。

それは、わたし泳げないからなんですね。

沈没して溺れ死ぬのはいやや。

隊長に後発隊(売れっ子で忙しい人たち)無事乗船しましたと報告したら、

「ゆうちゃんのボディガード頼むで」と、

ありがたいお言葉をいただきました。

が、しかし、

「わたしがオヤジ狩りに会わないよう守ります」と、

これまたトホホ・・・な お言葉いただきました。

朝7時半 諏訪之瀬島へ入港。

寝たか寝てないか分からん内に着いた。

先発隊(暇な人たち)と、すわのせゲストハウスの矢澤さんが迎えてくれた。

早速

「今日の予定は活火山 御岳への登山である!」と、

隊長が宣言した。

「いつ登るのであるか?」

「今からであるよ」

着いて5分もたってないよ。

いきなりハードなのね。

「南国の空気吸って、パパイヤだのマンゴーだの味わって、昼寝でもしたかったな~」と、

ひとり言をいった。

アイドリングなしで、いきなりトップギアで全速力なのだ。DSC_0656

いやはや・・・

けっこうな道のり。

野生のヤギおった。

捕まえてヤギ汁したいところだが、逆にやられて食われるかも知れぬ。

「おーい!置いて行かないでくれ~」

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「1時間で着く言うたやんけ。もう2時間歩いてまんがな」

「もうわて1歩も歩けまへん」

「ここが頂上でっせ」

「寒うで凍死しまっせ」

などと、悪態ついてたら、

「ツアーのおじさん」とあだ名付けられた。

トホホ・・・

旧火口の少し上まで行ったところで、

「火口周辺は立入禁止なので、この辺でやめときます」

おお!空耳か・・いや そらうみが言ったぞ。

助かった。

しょうくんもようがんばったな。

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さあ、飯だ飯だ!

讃岐の人はうどん持ってきてる。

朝昼晩 うどん食う言うとったけどほんまやな。

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風向きが変わってどんどん灰が降ってくる。

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うどんが黒コショウかけたようになる。

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でも、めっちゃうまかったなあ。

おにぎりもどんだけでも食える。

やっぱ身体が命の危機を感じてるんやな。

しかし、ここに立っていると五感が研ぎ澄まされるな。

見えるものは、灰を被った溶岩の大地と、1隻の漁船もいない大海原。

聞こえるのは、水蒸気の噴き出る音と、それを遮る風の音。

硫黄の臭い。

皮膚に着く火山灰。

身体を吹き飛ばそうとする強風と冷気。

人を寄せ付けない大自然とは、このことか。

でも、この状況で、びーる呑んでたやつが約2名おったな。

しばしの休息の後、下山開始。

火山れきで滑って転倒者続出。

踏ん張りがきかない。

膝が抜けたように痛い。

足首が何度もくねくねして、いつ捻挫してもおかしくない。

でもここで捻挫したら終わり。

姥捨て山みたいに置いていかれるに違いない。

しょう君みたいにだれも抱っこしてくれんやろ。

命がけとはこのことか?

この島で起こることはすべて自己責任なのだ。

なんとか全員車置いているところまで下山。

さーて!

風呂入ってびーる呑むぞ。

下痢するまで呑むぞ~。

「俺 呑んだから かっちゃん運転して」

「今から面白いとこ行くから・・・」

「え~ まだ宿帰らへんの?」

つづく・・・

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冒険者たち プロローグ

福岡県糸島市よりこんにちは。

夏の次に冬が苦手なあなたのわたしです。

暇だにゃ~ と 鼻くそほじっていたら、指令書が届いた。

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秘境を目指す冒険者たち?

この引きこもりのかっちゃんが冒険者だと?

久しぶりに血わき肉おどる言葉を聞いたぞ。

昔は、無謀だの、行き当たりばったりだの、あとさき考えないなど、お褒めの言葉をいただいたことはあるが・・・

いよいよ私の出番か!

しかも福岡県代表と書いとる。

これは、福岡県に恥をかかさないようにしなければならない。

そうだ、知事を表敬訪問しなくては。

それにしてもこのメンバー、しょうちゃん以外だれも知らないぞ。

極度の人見知りの私だが大丈夫か。

それにちぃさい字で [旅の良し悪しはメンバー次第] と書いとる。

プレッシャーかけるな  しょうちゃん。

しょうちゃんはゲストハウスそらうみの宿守だが、お坊さんでもあるのだ。

めっちゃ人当たりがよく、優しくて、気づかいもすごい。

でも、眼が笑うてないときがある。

油断大敵である。

この男が、隊長なのだ。

さて、行き先はトカラ列島 諏訪之瀬島。

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御岳が噴煙を上げる絶海の孤島だ。

この島で起こることは、すべて自己責任。

誰のせいでもないのだ。

けつの穴の引き締まるおもいである。

それに現地集合ときたか。

先発隊(暇な人たち)はすでに宝島へ乗り込んでいる。

隊長、 そらうみヘルパーのしおりさん、 ゲストハウスMADOのカイくん。

今ごろハブでも捕まえて丸焼きにして喰っているに違いない。

私はヒグマとハブが怖いものランキング1位と2位なのだ。

しかし諏訪之瀬島にはいないらしい。

でも泳いで来ている可能性はある。

フェリーのコンテナに紛れているかも知れぬ。

怖いなぁ~。

さて、後発隊(売れっ子で忙しい人たち)は、私と愛知県代表絞り染め職人のゆうさん。

とりあえず、鹿児島で待ち合わせることにした。

暇な私は新幹線で早々鹿児島入り。

ゆうさんは飛行機でギリギリ到着予定。

フェリーは23時出港。

時間はたっぷりある。

まずは温泉でしょう。

ばんだいがある昔からの銭湯。

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そして、焼き鳥屋へ。

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もうここで満足じゃ。

このまま帰ろかな~。

フェリーに乗り遅れたことにしとこか?

何日かに1便しか出ないフェリーなので帰るしかないのだ。

でも罰があたるにちがいない。

隊長はお坊さんなのだ。

何でもお見通しなのだ。

ヤバい ヤバい。

酔っぱらう前に少しでも港に近づいとこ。

港の近くでもう一杯やるか。

う~ん。

店がないな~。

さっきと同じ焼き鳥屋しかない。

チェーン店やったんやな。

私としたことが・・・

仕方ない。

不本意ながら入るか。

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今度は海のものをつまみに焼酎。

ゆうさん まだ来ず。

遅れてることに関して、ゆうさんとカイくんがメッセンジャーでバトってる。

カイくんは私のことを かっちゃんさん と言っている。

きっとナイスガイに違いない。

とてもここでは書けない壮絶な内容だ。

でもそんだけ仲がいいんだね。

それを見ながら焼酎呑むのもまた楽し。

酔っぱらっている間に出港時間が近づいていた。

ヤバい!

隊長に連絡する。

「隊長。愛情以外に何か不足しているものはありますか?」

「びーるを所望する」

しおりさんが大のビール好きらしい。

自分の分まで飲まれて焦っとるな。

とりあえず、持てるだけのビールと黒糖焼酎を買って港へ。

おっと、22時過ぎてるやんけ。

窓口に22時半までに乗らんと置いていくで~と書いてる。

ゆうさん まだ来てない。

これはヤバいことになったで。

置いて行くか?

自己責任の現地集合やから、仕方ないか。

でも隊長に叱られるな。

「女性1人あんな暗い港に置いてきたんか。この薄情者!」

私だったら、泣いて、ダダこねて、警察に保護されるな。

それはいかんな。

乗り遅れても待っとくか。

先発隊が帰ってくるまで、鹿児島で遊んどくかな。

でも、これも叱られるな。

「なんで1人でけーへんのかい!鹿児島に温泉旅行に来たんか!」

どないしょ。

マジでヤバい。

はよ来てや。

つづく・・・

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